株初心者へ失敗しない考え方

現在値が常に適正価格


このページでは、株初心者へ物の見方といいますか、失敗しない考え方に付いて書きます。
株初心者の方が良く陥る失敗する考え方に、株の適正価格にこだわってしまうというのがあります。
雑誌の株特集なんかでも適正価格、割安ゾーン、割高ゾーンなどと記載したり様々な投資尺度から割安割高という目安の数値も出来ているのでそういうものだと思い込んでいる方も多いのでしょう。
しかし、毎日市場で取引されている株価というものは、”現在値が適正価格で上がり過ぎの株もなければ下げ過ぎの株もない。”と考えなければ失敗する。
これが、長年トレードしてきて、逆張りで手痛い失敗を何度も経験してきて、たどり着いた私の結論です。

私が株取引を始めた19才のころ、初めのうちは、割安に放置されている株を探して買っていましたが、そんな誰にも見向きもされていない不人気株は、待っても待ってもなかなか上がりませんでした。
誰も見向きもしていなかったから割安に放置されていたのであって、都合良く自分が買った直後に、割安から適正価格に向かうなんてことはありません。

市場で常に取引され価格が変動している株式は、現在値が常に適正価格であると考えなければなりません。
自分勝手に上がり過ぎ、下げ過ぎと決めつけて逆張りすると、とんでもないしっぺ返しが待っています。

例えばある材料で、どんなに特売りで気配値が下げ続けても、どんなに特買いで気配値が上げ続けても、寄り付いた時点で釣り合いが取れていて、そこから上に行くか下に行くかは誰にもわからないということです。

この事に気付かされたのが、東日本大震災後に東京電力の空売りをして、大きく損失を出した時でした。

あれだけの原発事故を起こして、翌日の水蒸気爆発の映像を見て、これは大変なことだ会社存亡の危機に直面していると、誰もが思ったはずです。
にもかかわらず、一旦寄り付いた後に上昇し始め、ストップ高まで出しながら連日の急上昇です。

こんなおかしい事がいいつまでも続く訳がないと考えた私は、下がり出したら売りを狙おうと考えていました。
そして、その日高く寄り付いた後に、買いが続かなくなり下げに転じたところでかなりの金額で空売りしました。
ところが下げ止まると、今度はいったい誰が?と思えるような物凄い上値買いが入り、節目を抜けると板が薄いところを一気に上げ始めました。

その日は運の悪い事に、私の家が午後1時から計画停電の地区に入っていたため、リスク回避のために、その日のすっ高値付近で損切りせざるを得ませんでした。

しかし午後からは急落し、翌日からは下げに下げて、結局短期間に私の買い戻した値段からは7分の1位まで下げたでしょうか。
私の読みは間違っていなかったにもかかわらず、結果的に大損をしていました。

しかも、翌日からの下げにも、いつあの理不尽な買い上がりが起こるのかと恐怖にとりつかれ、空売りできなくなっていました。

この理不尽な行為、投資ではなく売り抜けるために、無理やり力ずくで買い上げるという行為への怒りとともに、自分の何がいけなかったんだろう考えているうちに、 ”これが株式市場なんだ” ”どんな理不尽な行為でも儲けられるんなら何でもありの輩がいる世界なんだ” ということが身にしみて分かりました。

そしてたどり着いた投資法が、自分勝手な予測を排除し、相場の流れを読むことのみを重視した、分速トレードだったんです。

私は、トレードについてシンプルに考えるようにしています。
どんなに割高に思えるような時でも、どんなに割安に思える価格まで下げている時でも、勢いがあるうちは、上げている時は買いを、下げている時は売りを、この辺で止まるんじゃないかとかの余計なことは考えず、流れに逆らわずに狙うようにしています。

なぜなら、いままでにそういう余計な考えでトレードして、利益を取り損ねて悔しい思いを沢山してきたからです。

短期トレードでは流れに乗ることが全てです。
流れは大衆心理が作ります。
巷にあふれるテクニカル分析理論も、目的は大衆心理を読むためのものです。

よく株価の行方は大口次第と言っている方がいますが、それも大口の動向に大衆心理が左右されるということです。
いくら大口が買ってきても、誰もそれについてこなければ、結局投げざるを得なくなり株価は急落しますから。