回顧2021




 今年はあまり映画を見ていないだろうという実感がかなりあったので(その後実際に数えてみたら40本)10本選べるか心配したが、杞憂だった。テンに入れるかどうかにも悩んだし、とくに1位と2位は悩んだ。最終的にはこんな映画を一体何のために作ったんだよという特徴を理由に選んだ。以前にもそれを理由に「エイリアン:コヴェナント」を選んでいる。一冊の本を出版するにも少なからぬ費用を必要とするが、映画はその比ではない。莫大な金がかかる。本年度のベストワンはおそらく世界中で2、3人にしか必要とされないのではないだろうか?そのうちの一人がぼくだったわけが、この映画が大好きだという人にはぼくも近寄りたくはない。今年の1位と2位に共通するものを挙げると、それは映画的にじつに面白い語り口、見せ方だということだ。要するにほとんど何もかもが面白かった。

  一方、ベストテンに入れるかどうかで悩んだのが「ラストナイト・イン・ソーホー」「ジェントルメン」「すばらしき世界」「キングスマン:ファースト・エージェント」の4本。何位になろうと絶対入れると決めた映画が「ファントム・スレッド」「家族を想うとき」の2本。これらがその意味合いから順位が乱高下する奇妙な現象が生じた(例年のことだが)。先の4本についてはどれも見た直後はベストテン入り確定だったが、本数的に収まらないという理由だけではなくその後読んだ他人の批評、評価になるほどと思ってしまったのが運の尽きだった。普段は、例年は、これまでは絶対にそんなことはなかった、ありえなかったことだ。人の意見に左右されたら映画評論家、批評家として失格だろう。でもぼくは別に評論家でも批評家でもないから。

その後さらに見たのに候補作に付け忘れた映画を思い出して順位が変更されたりした。





 






2021候補作およびベストテン発表!



BACK