回顧2017




 「ツインピークス」はドラマだが、デビッド・リンチが一人で監督しているし(ファーストシーズンと違って)、強烈な作家性が見られるため、もはや映画でいいんじゃないかと判断し、この列に加えた。というか、このさいドラマでもなんでもかまわない。今年ダントツで一位だ。また、全18話を見るまで控えていた旧作をいま見ているが、まったく昔とは違うモチベーションとともに面白く見ている。ザ・リターンとはまた違うまともなドラマで、これはこれで面白い。ザ・リターンも毎回最後のクレジットの初めにstarring Kyle_MacLachlanと出るが、今回のはとりわけその通りだな、と毎回のように思い、頷いていた。

 「追憶」は仕事の帰りに立ち寄った映画館で見たが、なんと観客は自分一人だった。もしぼくが入場しなかったとしたらその回は上映されたのだろうか???しかし、作品は素晴らしいものだった。

 「エイリアン:コヴェナント」はいくらかかってんだろう?こんなストーリーの企画がよく通ったなという感じだ。とにかく圧倒的大傑作。

 「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」は大根監督のよさが存分に発揮された傑作。

 「散歩する侵略者」は最初のクレジットが出るまでのシークエンスだけでいえば今年のベストワンだった。とくに音楽が素晴らしい。あと満島真之介の地のようなものを最大限に活かしていたような気がする。もちろん役者だろうけど。

 「GODZILLA 怪獣惑星」は何の予備知識もなく入ったが、ことのほか面白かった。とくに前半だけならもっと上に行く(実際には上にも相応の作品が詰まっているので行かないが)。ゴジラ最大の見せ場は口から吐き出す放射能まじりの謎の光線だが(去年の「シン・ゴジラ」は東京を焼き尽くすそれが結局クライマックスだった。ナウシカでオームを吹き飛ばす巨神兵のシーンを担当した監督の面目躍如という気がした)、今回のもかなりよかった。歴代ゴジラの中でナンバーワンのスピードじゃないかな?イチローのレーザービームを想起した。

 「ブレードランナー 2049」は「ブレードランナー」とは全然別の映画だった。とにかく長かった。その長さが活きていなかった。ただ、ビジュアルにときおり面白いものはあった(同じ監督の「メッセージ」も同様)。ひとことで言えばこちらの期待が高すぎた。





 






2017候補作およびベストテン発表!



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