映画は例年になく見れなかった。
「ゴーンガール」はフィンチャー版夫婦漫才。「愛、アムール」は漫才ではないが、やはり夫婦の話。どちらも面白かった。
「別離」はシナリオがまず素晴らしかった。それから演出と演技、とくに少女の演技に奇跡の瞬間が訪れる。ここに気づくと映画ファンとして優越感を覚えることになる(少なくとも居眠りしていると見逃す)。
アカデミー賞の選考委員も馬鹿じゃないんだ。
「寄生獣」は原作にない場面で心打たれた。
山崎貴は原作を映画にするのが(「ヤマト」を除いて)巧い(この書き方。でもわかる人にはこれで伝わるはず。逆に言えば映画になっていない映画の多さということ)。
ただ今回は、この原作はすでに‘映画’として完成していたので(この書き方)、これ以上どうするのか興味があった。
でもそれをクリアした。
この前篇はジェットコースターでいうとレールの頂上にようやく登ったところだという。
原作の読者はみんなそのラストシーンを知っているわけだ。
完結編が待たれる。